書き方を向上させるために

書き方を向上させるために


 ビジネス文書は、明瞭と簡潔(Clear & Concise)が求められます。


 この三省堂のサイトが勉強になります。特に「15, 助詞の使い方に注意」の「「より」と「から」」などは必読です。

 以下は、科学技術系の文書の書き方です。なので、客観的な事象を淡々と書くことが求められる文書用です。
 社会科学系文書では、読者の意識改革を求める場合があるため、強調構文を使うこともあり得ます。 


 IEEEによるこの英語のサイトでは、文書から次の4個の無駄な言い回しを削除することを提案しています。
  • 不要な単語、冗長な単語や表現
  • 意味の無い修飾
  • 異なった言い回しで、同じ意味内容を書くこと
  • 意味の無い抽象論
 有用・不要の判断は、書き手が文意に即して行うことになります。
 上記の各項目は当たり前のことですけれど、要するに、慎重に文書を見直せということだろうと思います。



 これはUniversity of Wisconsin – Madisonのサイトです。この記事の内容を下記のとおり紹介させていただきます。特に、日本語でも適用できそうな部分のみです。

 なお、この大学当局の許可を受けていません。

 この内容は英語独特の発想も含まれています。英語は動詞に重点を置くので、動詞に明確な意味を持たせようということだろうと思います。なので、あくまで参考です。

●能動態で書こう

 受動態だと、文が長くなり、文意があいまいになる可能性があります。

(筆者コメント:次のサイトには異なる考え方が記されていました。
 受動態は行為者が無いため、特に科学技術などの分野では客観性や再現性が重要となるため、主語の無い受動態の方が良い、とのことです。英語の場合、IやWeが主語になりますからね。


●名詞に動きを表現させるのではなく、動詞を使って動きを表現する構文にしよう。

 「評価」を例にした例文:
悪い:評価[名詞] が、行われる必要がある。
良い:評価する[動詞] 必要がある。

 「評価」を名詞として使うと「行われる」という意味の弱い動詞が付加される。
 「評価」を動詞として使うと、弱い動詞が付加されず、冗長にはなりません。


●冗長な言い回しを短くしよう

 例えば、「機会をがある」、「立場にある」、「余裕がある」、「能力がある」は「できる」で表現できます。


●冗長な動詞を使わず、直接の意味を持つ動詞を使おう

 例えば、「知識を持っている」ではなく「知っている」にする。


●複雑な構文(例えば、強調構文)を避ける

悪い:最終的に私を納得させたのは、彼女の発言だった。
良い:彼女の発言により、私は最終的に納得した。

(筆者感想:時間軸をさかのぼるよりも、過去から未来へと時間軸に沿う方が原因と結果の流れが分かり易いということかもしれません)


●多目的の意味の名詞を使わない

 多目的の用語を使うと、文章は冗長になります。
 例えば、「要素」、「側面」、「分野(面)」、「状況」、「程度」、「場合」などです。

悪い:優れた読書能力は、大学で学生が成功するための重要な要素です。
良い:大学における学生の成功は、彼らの読書能力次第です。

悪い:消費者の要求は、サービスの面において増加している。
良い:消費者は、より多くのサービスを要求している。


●必要の無い誇張した用語を使わない。


●名詞を連続させて使わない

 読者が記述内容の知識があるなら別ですが、多くの名詞を連続させた言い回しは避けた方が良いです。

悪い:MHSには、病院従業員関係性向上計画がある。
良い:MHSには、従業員達の関係性を向上させる計画がある。



 IEEEにおいて、リンクは切れていますが似たようなページがありました。
https://procomm.ieee.org/communication-resources-for-engineers/style/write-clearly-and-concisely/