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育鵬社教科書の採択・不採択がコロコロ変わる理由

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育鵬社の公民教科書 本記事の要旨 ・育鵬社(いくほうしゃ)の教科書の何が良くて何が悪いのかを、実務に携わる 教育委員の公式発言から見ていきます 。 ・2015年の審議のあり方について問題が見えました。教科書問題とは、その内容だけではなく、 組織運営にも闇 があります。 ・何故、育鵬社の公民が不採択になったのでしょうか。実は、東大阪市には、代替手段として、教科書検定を受けていない 公民テキスト が作成されていたのです。  本記事は、2020年、2015年及び2011年の、東大阪市教育委員会の、教科書を採択する会議における、 育鵬社に関する部分のみ の会議録に関するものです。  正確な内容は、原本を参照してください。  次のサイトでは同様の内容を分かりやすく書いています。 公民の教科書がコロコロっと変わる理由 - 東大阪市編 東大阪市役所庁舎  東大阪市教育委員会は、令和2年度(2020年度)まで、中学校用 公民 の教科書として、育鵬社を採択してきました。  なお、中学校用 歴史 は他社を採択してきました。 育鵬社の中学・ 公民 の教科書への教育委員等からの意見 概要  2011年の議論では 「国家観が感じられる」という趣旨 で育鵬社の公民の教科書が採択されました。  2015年では、2011年の考え方を 継承 しました。(この審議過程が問題。詳細は後で)  2020年では、育鵬社の名前が全く挙がりませんでした。不採択です。 採択・不採択の論点 2020年8月の審議  育鵬社は不採択となりました。令和3年度から4年間使用する公民の教科書は、帝国書院を採択しました。 ●選定委員会の意見(育鵬社に関する発言はありませんでした)  公民の教科書を各社見比べて、歴史と同様にそれぞれの会社がレイアウトやマーク、小見出しを工夫しており、それにより学びの流れに特徴を持たせていました。違いが現れているのは生徒が主体的に学ぶための工夫の部分で、これも国語や歴史の教科書でも触れた「思考ツール」を用いて生徒自身に考えを整理することを求めているものと、記載内容の読解による学習を求めるものがありました。「SDGs」は全社で取り上げられているが、その取り扱いについても各社特徴が見られました。 ●教育委員の意見 (育鵬社に関する発言はありませんでした) 2015年7月の審議  育鵬社が採択されました