ネット・ゲーム依存症対策条例 パブリックコメントの暗闇
追及せよ!
香川県ネット・ゲーム依存症対策条例
パブコメの暗闇
要旨
パブコメ問題の本質は、賛成・反対を集計・公表したことにある。
賛成・反対という集計は、政務調査課職員ではない者からの強力な指示があったものと推測される。
以下、本文
これは香川県ネット・ゲーム依存症対策条例に関する記事です。
香川県 議会事務局 政務調査課が2020年3月17日に発表した「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)(素案)について提出されたご意見とそれに対する考え方」(以下、「考え方」という。)において暗闇がある。
パブコメとは
パブコメとは、正式名称をパブリックコメントと呼ぶ。
パブコメは、公的機関が策定しようとする法令案や計画案に対して、一般市民が意見を書面で述べる制度である。本件の場合は、条例案がパブコメの対象となった。
条例の策定にあたって、役所側(本件の場合、議員側)が、見落とした点や考え方の異なる意見を、一般市民から得ることにより、より一層、質の高い内容にすることが目的である。
これは、意見の内容を重視する制度である。
同一内容の意見は、1個にまとめられる。
意見の多寡を問う制度ではない。
多数派の意見(同一内容の意見)は1個にまとめられるため、少数派が抱く多様な意見を表明するための制度である。
賛成・反対の表明を求めない。
賛成の意見を提出したとしても、そのような意見を基に条例を修正することはあり得ないので、意味は無い。
なので、修正を求める意見だけになるのが一般的である。
大量のパブコメ
本件に対し、大量のパブコメの投稿が行われた模様である。
このこと自体は不正行為ではない。他のどのパブコメでも発生する事象である。大阪府でもよくある。
事務局としては、いくら送られてきても、(同一内容であれば)1個として処理するだけである。内容が無ければ公表はしない。
一般的には、理由を記載していない賛成・反対だけを表明するパブコメ意見は、事務局で粛々と無視されるだけだ。
しかし、大量パブコメ送信者は、大量に送信した。
しかも、賛成を表明する意見だ。
普通はありえない。
何故だと思う?
それは、この者が、賛成・反対別に集計・公表されることを知っていたからである。
市民一般を対象とした、香川県のホームページ上でのパブコメ案内では、賛否を問いそして賛否別に集計・公表するとは書いていない。
追記:その後2020年7月2日、次の記事を見つけました。大量送信者は、この記事を見たのかもしれない。
なぜ制定? どこを修正? 異論噴出・香川県議会「ネット・ゲーム依存対策条例」案
https://www.sankei.com/premium/news/200128/prm2001280006-n2.html
「県議会事務局には1月19日までに100件超の電子メールが寄せられた。反対が79件で、賛成はわずか3件。その他が30件だった。」
ここ重要
問題なのは、賛成・反対を集計・公表したことである。
一般的なパブコメ結果の公表においては、賛成・反対という集計をしない。
しかし、「考え方」には、「内訳」並びに「賛成」、「反対」及び「提案」の項目が設けられている。
パブコメには賛成・反対の表明を求めていないのであるから、これを賛成・反対に分類することができるわけがない。
総論賛成各論反対という意見もあるだろう。字句の修正意見もある。「懸念します」という意見は賛成ではないだろうが、明確に反対を表明したものでもない。内容によっては、読者によって、分類の判断が異なることもあるだろう。
このため、この分類には、香川県議会事務局政務調査課職員による恣意が働いている。
パブコメには賛成・反対の意思表示を求めていなかった。
にもかかわらず、大量の賛成の意思表明があった。それを「賛成」として集計し、公表した。
これにより賛成が多いという印象操作を行った。
一般的なパブコメの取りまとめ作業においては、賛否の集計をしないし、賛否の集計には恣意性が発生する(公正性が失われる)ことは明らかであるし、集計作業は大変である。
行政職員はこれらのことはきちんとわきまえている。
このため、この集計・公表行為は、政務調査課職員による発意ではないと思われる。
賛成・反対という集計は、政務調査課職員ではない者からの強力な指示があったものと推測される。
このことに対しては、香川県行政職員自身も怒りを覚えて当然であるし、不当性を訴える権利はあると思う。
一般的には公表されることのない、内容の無いパブコメを、「賛成」として集計し、これを公式資料として公共の場に提示したことは問題である。
追及せよ!
香川市民は本件を追及する必要がある。
議会議長(政治家)は「条例の制定過程の問題を検討しない」とのことだった。
香川県議会事務局政務調査課あてであれば、香川県に住民登録している者が、正当な文書で、県庁への持参による申し入れをすれば回答があり前進するかもしれません(希望的観測)。
窓口は、広聴広報課(県民の声)なのかもしれません(未確認)。
問合せ内容は次のとおりです。
- 「内訳」並びに「賛成」、「反対」及び「提案」(以下。「賛否」という。)を設けた趣旨は何か。
- 「賛否」を設けた根拠は何か。
- 「賛否」を設けることを決定したのは具体的にいつの時点か。何月何日のどの決済か。
- 「多数決や賛否を問うものではない」と表明しておきながら、「賛否」を集計・公表したのは何故か。
- パブコメには賛成・反対の意思表明を求めていない。なので、これを賛成・反対に分類しようとすると、その判断に政務調査課職員による恣意が発生するが、どのように考えるのか。
- パブコメ意見の募集案内では「賛否を問う。賛否別に集計・公表する」とは書いていない。このため、賛否の意思表示を明確にできなかった者が多数いると思われる。このことは、公正性に欠けると思うが、どのように考えるか。
- 賛成・反対別に集計・公表することは、パブコメ意見の募集案内には記載していない。にもかかわらず、賛成の意見が大量にあるということは、一部の者に、賛成・反対別に集計・公表を行う旨を通知したからであると思われるが、このような通知を行ったのか。
- 状況証拠からすると同一人物から大量の意見が提出されており、また、香川県民かどうかが不明確な意見もある。このような意見を賛否別に分類すると、市民の意見の実態を反映していないことになるが、どう考えるのか。
- 「賛否」の項目を設けたことは、誰の発意なのか。政務調査課職員の発意であるのか。議員や政治家、その他の者からの働きかけはあったのか。
- 「パブリック・コメント(意見公募)を実施します」との表記により公募したのであるから、議会事務局独自のルールではなく、世間一般的に行われているパブリック・コメントのルールに従い、「賛否」を設けるべきではなかったのではないか。
- 賛成が多いという印象操作を行っているが、どのように考えるのか。
- 以上は誰しもが疑問に思う事柄であるため、香川県議会事務局として見解をとりまとめ、2週間以内にホームページで公開していただきたい。
文書には、文書提出者の住所・氏名・電話番号を記載しよう。文書提出者あての回答文書を要求しておこう。
上記とは別に、情報公開請求にて、パブコメ募集、「賛否」を設ける決定、パブコメ結果の公表等の各決済文書を取り寄せよう。それにより、いつの時点で「賛否」を設けたのかを明らかにしよう。
残念な結果になるかもしれませんが、そのダメな回答文書を得ることに意義があると考えます。少なくとも、趣旨や根拠(役所の規則のどこに書いてあるのか)が気になります。
がんばれ! 香川市民!
立ち上がれ! 香川市民!
こんなものを認めるな!
これが、子どもの教育に関する条例なのか?!
あんたらの成果が全国に波及する
香川市民の御健闘をお祈り申し上げます。
私は大阪府民なので傍観します(笑)。
なお、「考え方」を今更修正しても仕方が無いと思います。記念にそのまま放置しておきますか。
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