相撲ファンは減ったのか Google Trends分析

相撲ファンは減ったのか Google Trends分析


商売人は、自分の商材に対して「人気が無い」などとは言えない。
マスメディアもこれに同調して報道する。

人気の有無・程度について、「言わない」「言えない」ことはいろいろあろう。

でも、一般人の立場からみれば、客観的指標が欲しい。
Google Trendsはこの客観的な指標である。

知名度や人気の程度に関する情報は、もはや業界関係者が独占できる世の中ではない。
相撲をネタにしてGoogle Trendsの使い方を紹介しながら、あれこれ考えていきたい。


「ファン減少で相撲人気に陰り」は本当か 不祥事の危機から復活した大相撲の未来 (BLOGOS https://blogos.com/article/486885/)では、相撲の人気について「相撲ファンが減っているのではないか」という不安や「今後も衰えることはない」という意見がある。

力士の魅力や不祥事によって、相撲の人気がどのように動くのか興味深い。


過去5年間のラグビー、野球、サッカー及び相撲の人気の推移

次のURLを見れば、過去5年間のラグビー、野球、サッカー及び相撲の人気の推移を見ることができ、スポーツ競技間の比較をすることができる。


次の図は2020年9月27日時点である。
ラグビー、野球、サッカー及び相撲の人気の推移

この図を見ると、野球やサッカーが人気があることが分かる。
相撲は、ラグビーよりも人気が無いように見える。ラグビーは2019年に世界的に有名な試合が行われたため、これが全体的な数値を引き上げている。

全国47都道府県の中から、相撲の人気が高い上位5位までを示したのが下図である。

相撲の人気が高い上位5位まで

第一位が富山県、第二位が石川県であった。
第四位以下は、ラグビーとほぼ同じ程度の人気となっている。

NHKのテレビには相撲の番組があるので、「相撲は人気があるのかなぁ」と思っていた。
テレビにおける露出の程度と人気の程度は正比例しないことが分かる。
では、何故、テレビでは相撲の露出が多いのであろうか?
そこは、マスコミの皆様に正直に語って頂くしかない。

過去90日のラグビーと相撲の人気の推移

次のURLを見れば、過去90日間のラグビー及び相撲の人気の推移を見ることができ、比較をすることができる。


次の図は2020年9月27日時点である。
ラグビー及び相撲の人気の推移

2020年8月5日にラグビーの数値が通常の2倍以上上がっているが、これは、日本大学ラグビー部のツマヨウジ事件が原因であると思われる。
野球やサッカーを含めて観察すれば(母数が大きくなるため)このような不祥事は全く存在しないかのようであるが、人気の無い系列だけを取り上げて見てみると(母数が少ないため)世間の注目が集まっていることが分かる。
全体から見ると、このような不祥事は些事である。不祥事があったからと言って、人気が衰えるのではない。

同時期に、相撲界でも力士の集団脱走という話題はあった。しかし、「ラグビー人気」に押されて、ネットでは「盛り上がり」は無かったようである。

7月19日から8月2日まで相撲の人気が上がっているが、これは試合開催期間中だからである。

過去5年間の相撲の人気の推移

次のURLを見れば、過去5年間の相撲の人気の推移を見ることができる。


次の図は2020年9月27日時点である。
過去5年間の相撲の人気の推移
この図から次のことが分かる。
・季節性がある。試合の開催時に人気が上がる。
・人気はほぼ横ばいで推移している。
・不祥事や有名選手の有無と、人気の程度とは関係は無いように思われる。

過去5年間の地域性

相撲及びラグビーは、人気に地域的偏りがある。

下図は、過去5年間の相撲の都道府県別上位5位である。
過去5年間の相撲の都道府県別上位5位

第一位の富山県を100%とした場合、第五位の青森県は58%である。この割合の格差は、他のスポーツ競技に比べて大きい。つまり、相撲人気は、富山県などへの一極集中なのである。
東京都に国技館があるのだから、東京都で人気があるだろうと思い、東京都の順位を調べたのが下図である。
相撲人気は、富山県などへの一極集中
なんと東京都は34位だった。東京に国技館があり、テレビでも放映されるのに何故だ?
Google Trendsの集計のあり方に問題があるように疑いが出て来る。
それとも、相撲に人気があるかのように、マスコミは印象操作をしているのか?

市区別に見たのが下図である。
市区別に見た
東京都墨田区が第一位でスミダ。
墨田区のメチャクチャ熱烈なファンが人気を押し上げていることが分かる。逆に見れば、ほとんどの東京都民は相撲にシラケているということだ。
ここは重要である。一見人気があるかのように見えても、それは一部の熱狂ファンによるものだということだ。なので、不祥事によって人気は動じない。

地域に伸びしろがあるということだ。

別の見方をすれば、相撲はコアなファンが強烈すぎて現状の人気を保持しているのであるから、今後の拡張性は無いのではないかという疑いを持ってしまう。国技館を有する東京都において、多くの都民がシラケているのは問題だ。


下図は、ラグビーの過去5年間の市別ランキングである。
ラグビーの過去5年間の市別ランキング
第一位の熊谷市を100%とした場合、第五位の府中市は56%である、以下に述べる他のスポーツと比較して、都市間格差が大きい。つまり、相撲と同様に、一部の地域でしか、ラグビーは盛り上がっていないということである。

しかも、東大阪市は「ラグビーのまち」と行政は標榜しているが、市民にはプレイをする実態はない。一部の熱烈なラグビーファンが行政を動かしているのだ。
東大阪市でさえ、野球やサッカーの方が、ラグビーよりも人気があるのである。このような東大阪市の実態を考えると、相撲人気というのも何か秘められた仕掛けがあるように疑われる。


下図は、サッカーの過去5年間の市別ランキングである。
サッカーの過去5年間の市別ランキング

第五位の浜町市で84%なので、サッカーは全国的に地域密着型であることが分かる。


下図は、野球の過去5年間の市別ランキングである。
野球の過去5年間の市別ランキング

学ぶべきはサッカーからである

サッカーの特徴は、(他のスポーツと比較して)全国一律に地域密着型だということだ。しかも、シーズンオフを含めて、1年間を通じて人気がある。このように、きちんと企業努力をしている人達に伸びていって頂きたいものである。

私が東大阪市政を批判するのはここだ。ラグビーは行政に頼り、行政は税金で市民にラグビーを教育しているのだ。人気の盛り上げに対する競争性が無く、公正では無く、まったくスポーツマンシップが無い。なお、私は、東大阪市民ではあるが、競技としてのラグビーには興味は無い。

野球は人気がありすぎるため(どこぞの球団のように)自助努力をする必要は無い。ゆえに今後伸びないかもしれない。ただし、IT企業を親会社に持つプロ野球球団からは学ぶべきものはある。

以上のように、ほんの少しGoogle Trendsを操作するだけで、いろいろあれこれ考えることができる。

(参考)知識人が好んで使う言葉「position talk(ポジショントーク)」は和製英語だそうだ。正しくは次のとおりである。
opinion expressed from someone's point of view