ラグビーの将来性  東大阪市民の観点から

ラグビーの将来性

 Google Trendsによる比較分析


 どのスポーツ競技がどの程度人気があるのかは、大人の事情により、メディアでは真実が語られない。Google Trendsを使えば、隠された真実が見えてくる。
 2019年に開催されたラグビーの世界大会はメディアで大きく取り上げられ、ワンチームという流行語も生み出した。

 ラグビーの人気はどれほどであろうか?

 東大阪花園ラグビー場を有するラグビーのまち・東大阪市在住の筆者が将来性の分析を試みる。
 人気はあるとも言われ、ないとも言われる。人気は、ある・ないという2値の判断もできるが、詳しく見ていけば程度も問題であるとも言える。


1.Google Trendsについて

 Google Trendsという検索文字動向分析ツールがある。Googleが提供しているため、ほぼほぼ信頼して良いだろう。

 本ツールを使えば、大雑把ではあるが、万物の人気の傾向を知ることができる。
 本ツールは、時系列で、調査対象の複数の事柄を比較できる。母数が膨大にある文字列の検索結果であるため客観性がある。ビジネスで十分活用できるツールである。

 このツールを使い、ラグビー、野球、サッカー、テニスについて人気度の傾向を示したのが下の図である。

 ただし、注意事項がある。
 「検索キーワード」で絞っているため、ゲーム関連や不祥事関連も含まれている
 バスケットボールとの比較もしたいのであるが、「バスケ」という言い方もあるため適切な比較ができない。
 そういったことを割り引いて分析する必要はある。
 学術研究に使うには粗雑ではあるが、経営判断に活用するには十分であると思われる。
 この記事のGoogle Trendsの図は、2020年8月11日時点で採取している。


2.日本の過去5年間の比較

 日本の過去5年間を比較してみた。次のURLをブラウザから入力すれば、最新の、同様の図が表示される。

ラグビー、野球、サッカー、テニスについて人気度の傾向

 野球の人気が一番高い。そして、季節性があることが顕著である。
 次いで、サッカー、テニスそしてラグビーの順になっている。
 テニスは2人で対戦するにも関わらず、ラグビーに匹敵する人気だ。ただし、コンピュータゲームのテニスゲームなどの検索結果も含まれているというバイアスは考慮しなければならない。

 2019年のラグビーの世界大会はメディアで大きく取り上げられた。その取り上げ方に圧倒され、ラグビーが、野球・サッカーに次ぐ競技であるかのような印象を受けた。

 読者は賢くなければいけない。
 メディアが流布する印象操作に流されると、世の中のあり方を読み違え、踊らされるだけになってしまう。
 事実はGoogle Trendsの図のとおりである。

 日本は野球大国だ。
 世界大会があったにも関わらず、ラグビーの人気の頂点よりも、野球の頂点の方が上だ。

 しかも、ラグビー世界大会の時の人気の上がり方が不自然だ。
 過去は、ずっと人気が無かったのである。つまり、ファンの人数が少なかったということである。この数少ないファンが、世界大会の時に、Google検索で「ラグビー」と打ち込みまくったのだろうか?そんなことはありえない。あったとしても、Google検索の母数は膨大である。
 メディアに動員をかけて、広告・宣伝で人心を買ったということだ。その広告・宣伝費には、税金も含まれている。
 ラグビーのルールを知らないにも関わらず熱狂したのである。ラグビーは、ラグビーの競技自体に人気があったのではない。世界で日本が優位にあることを示してくれたことにより、日本人であることの自己肯定感を得ることができ、にわかファンは喜んだのである。


3.サッカーの傾向から学ぶ

 サッカーは、2018年に有名な世界大会が開かれた。このため、この時期に数値が上がっている。その後下がり、そして、世界大会前と同じ水準に戻った。
 世界大会があったからといって、その後人気度が上昇することは無い
 人気があるサッカーでさえ、これが現実だ。
 このような傾向があることはサッカーで学んだのである。ゆえに、その学習効果をラグビーに対しても適用すべきである。
 案の定、ラグビー人気は、2019年の有名な世界大会後、下がった。
 サッカーの結果から考察すると、今後、ラグビー人気が上昇することはない


4.日本の過去12カ月間の比較

 日本の過去12カ月間を比較してみた。次のURLをブラウザから入力すれば、最新の、同様の図が表示される。

日本の過去12カ月間を比較



5.世界大会後のラグビー人気

 2019年のラグビーの世界大会によるラグビー人気の上昇があった時期に、その上昇に反比例する形で、野球やサッカーなどの数値が下がるという現象は生じなかった。つまり、ラグビーは、他のスポーツ競技からファンを奪ってきたのではない。これは、「個人の余暇時間が一定である場合(増加しない場合)」という仮説を前提とする。

 スポーツを趣味としていなかった人たちが、ラグビーのにわかファンになった、と推測できる。もともと、スポーツにこだわりが無い人達なのである。

 急にファンになったのであるから、ラグビーのルールをあまり理解していない人達だったようである。
 こだわりが無いのであるから、他の趣味に目移りするのも早い。「ああ、おもしろかった」で終わっただけだ。
 そして、ラグビーは、次第に、テニス以下の人気に戻った、ということである。

 ラグビー人気は、本当に、にわかであった。
 急に人気が出た場合、急に人気が無くなることは、素人でも予想できることだ。

 テニスの施設整備費や人件費に比べれば、ラグビーの施設整備費などは莫大だろう。費用対効果がメチャ悪いのは素人でも分かる。

 ラグビーには莫大な公費がかかっているのだ。

 図の右端は、2020年8月2日から8日を示している。この時期は、日本大学ラグビー部のツマヨウジ事件が報道された時期であるが、その事件によって人気度(検索件数)が上がってはいない。それほど、母数が大きいことを示している。



6.大阪の過去5年間の比較

 大阪の過去5年間を比較してみた。次のURLをブラウザから入力すれば、最新の、同様の図が表示される。

大阪の過去5年間を比較


7.大阪府・東大阪市でのラグビー人気

 大阪では、他の市に比べて、東大阪市におけるラグビーの人気が高い。

 しかし、東大阪市においては、野球が最も人気度が高く、サッカーがそれに次いでいる。ラグビーの人気度はそれら未満である

 東大阪市は2009年にラグビーのまちを標榜しているのだが、全く実態を伴っていないことが分かる。

 何のためにラグビーのまちを標榜しているのかが、強い疑問として残る。
 私はこの疑問を機会ある毎に東大阪市役所に問い合わせたが、合理的な回答は無かった。

 これらのことから言えるのは、東大阪市の政権はラグビー愛好者によって乗っ取られているということだ。行政を利用して、ラグビーは社会的安定を図っているのだ。人気が無いにも関わらず。


8.大阪の過去12カ月間の比較

 大阪の過去12カ月間を比較してみた。次のURLをブラウザから入力すれば、最新の、同様の図が表示される。
 傾向としては、日本全国版と同様である。


9.東大阪市役所のあり方

 ラグビーが日本で人気が無い実情を東大阪市役所職員は知っている。
 このため、市教育委員会が作成した市独自テキスト「夢TRY科」では、日本における人気には触れず、海外で人気がある旨の記載をしている。
 この記載は、嘘をついてはいないものの、日本で人気が無いことをごまかしているとはいえる。

 自分の地域(東大阪)に住む子どもたちをミスリードさせる教育を東大阪市教育委員会は平気で行っているのだ。
 東大阪市役所は、ブランド価値の向上に力を入れ、公費を投入して「ラグビーのまち」の雰囲気を醸成している。広告・宣伝に流されやすい人を流すのである。

 東大阪市は、実態として、ラグビーのまちではない。でも、東大阪市役所職員は、実態を無視して「ラグビーのまち」だと言い張り続ける。
 客観的なデータを読み、経営者視点に立って、自分で考えるようにして欲しい。

 公費に支えられなければ維持できない。それがラグビーだ。

 東大阪市役所職員は、公費維持が当たり前だと思っている。そして、その既得権の維持・拡大に躍起だ。
 これは、他の競技運営者や、他の文化活動をする者、そしてそれらを支持する者の立場から見れば、不公正だ。
 ラグビーに人気を集めたとして、そんなことに何の意味があるのか?誰でも抱く疑問だ。公費を使うだけの価値があるのか?あるはずが無い。
 市役所は、「市民が望んでいる」という建前があるため、「ラグビーのまち」を標榜し続けることができるのだ。
 なので、市民はそんなことを望んではいない、ってことを主張し続ける必要がある。

以上